Yuito's Journey

“安田唯斗”という男

【第5話】社会人編|たった2ヶ月で辞めた僕の“はじまり”

大学卒業後、早く部活に専念したかった僕は、体育学生に特化した人材会社を1社だけ受けて、すぐに内定をもらい、就活を終えました。世間的には“一部上場企業”という肩書きもあり、周りからは「すごいな」「安定やな」と言われていました。

入社式では新入社員代表として全社員の前で挨拶をさせていただき、同期にも恵まれて、最初は「この会社で頑張るぞ」と希望に満ちていました。

「新入社員で一番成果を出す!」という目標を掲げ、出勤中に架電リストを作り、早めに出社して準備し、ギリギリまで残って仕事に打ち込む。誰よりもアポを獲得し、他オフィスの同期から「架電の様子を見せてほしい」と言われ、Zoomを繋ぎながら仕事をしたこともありました。

先輩方にもかわいがっていただき、飲みに連れて行ってもらったり、相席屋に行ったり……全部が“経験”だと信じて全力で取り組みました。

でも、心のどこかでは「この生活、楽しくない」と感じていました。

そんなとき、母からふいに言われた「最近仕事どうなん?」という一言。その瞬間、自信を持って「楽しい」と答えられず、気づいたら母の前で涙が止まらなくなっていました。

涙の理由は、自分でもよく分かりません。でも、そんな僕を見て母は、「あんたがそんなふうになるなんて、よっぽどやで。仕事、辞めなさい」と背中を押してくれました。

正直、何かを“辞める”ことが怖かった僕にとって、それはとても大きな一言でした。そして、入社からわずか2ヶ月で退職を決意します。

退職時、先輩から「もう二度と会うことはないな」と言われたとき、「世の中って意外と冷たいな」と知ると同時に、自分が本当に求めている生き方について、初めて深く考えるようになりました。


次回は、環境を変えるために飛び込んだ“宮古島でのリゾートバイト”での気づきと、新しい価値観の物語をお届けします。

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